【施膳ろくざんさ】旧井波美術館跡に薬膳日本料理をテーマとするレストランが2024年3月15日にオープン!お米は伝統の炊飯法「ねかべっつい」で炊き上げる特別な味わい

旬の地物食材と郷土料理を独自に昇華させ、メイドイン富山の器で奏でる日本料理。“彫刻の音がする街”井波から新たな歴史を刻みます

 2024年3月15日(金)に、富山県南砺市井波に薬膳日本料理をコンセプトに織り込んだレストラン「施膳ろくざんさ」(読み:せぜんろくざんさ)がオープンします。店主の水上 喜貴(みずかみ はるたか)氏は、同県砺波市で「食堂633」を10年に渡って営んできましたが、独自の料理哲学を追求してコンセプトを一新し、移転オープンを決意。予約制のコース料理を提供するレストランとして、この度、大きな一歩を踏み出します。
 建物は、大正時代に銀行として建設され、その後は旧井波美術館として親しまれてきた歩みがあり、外観にも内装にも重厚感と気品が漂います。今回この旧井波美術館は、耐震補強工事を施してリノベーションし、レストランとして生まれ変わりました。
 食器や調度品は地元職人の作品から選び抜き、細部にまでメイドイン富山にこだわり、訪れる人々が富山の文化や豊かな風土を五感で感じ取ることができる日本料理を提供します。

  • 八寸

    • “彫刻の音がする街 井波”で文化も味わいに溶け込んだコース料理を提供

     井波は、富山県の自然豊かな地に根差す人口約8,000人の小さな町で、宮大工の技から生まれた井波彫刻で知られ、木彫刻職人たちの技術で日本有数の名声を誇り、2018年にはその文化が日本遺産に認定されました。通りを歩けば、どこからともなく鑿(ノミ)と木槌のリズミカルな音が聞こえ、“彫刻の音がする”と言われるほどです。

     レストランとなる建物は、大正時代に銀行として建設され、その後は旧井波美術館として親しまれてきた歩みがあり、当時の面影を残した懐かしみとモダンな品格漂う空間に、スタイリッシュなデザインが調和します。

    施膳ろくざんさ 外観

    施膳ろくざんさ 内装

    施膳ろくざんさ 内装

     看板の文字は、店主の水上氏が尊敬するシェフである、南砺市利賀村のオーベルジュ「Cuisine régionale L’évo(キュイジーヌ・レジョナル・レヴォ)」のオーナーシェフ谷口 英司氏に依頼して書いてもらったものです。谷口シェフは自身の料理のテーマを“前衛的地方料理”とし、そこに足を運ばなければ食べられない唯一無二の料理を提供します。富山駅から車で約2時間を要する秘境にお店を構えますが、世界中からゲストを集め、訪れる人々を魅了します。その谷口シェフにお店の顔と言える看板に筆入してもらうことに、水上シェフの思いや覚悟も表れています。

      さらに、井波の文化である彫刻品を毎月定額制で貸してくれる「ジソウラボ」を活用し、月ごとに異なる彫刻作品を展示することで、文化の継承と発信を行います。
     
     

    • わざわざここに来て味わう価値のある、旬の地元食材と郷土料理を織り込んだ料理の数々。「ねかべっつい」で炊き上げるご飯は唯一無二の美味しさ

      水上シェフが料理に使用する食材は、南砺市や砺波市などの地元産を主軸としており、旬の野菜や魚はもちろんのこと、ジビエも取り入れます。また、地元の人々が受け継いできた郷土料理も多数織り込んで、豊かな風土と食文化の魅力を伝えます。それらの料理は、地元作家の作品や伝統工芸品で奏でられる点も大きな魅力で、庄川挽物木地(しょうがわひきものきじ)、井波彫刻、地元南砺市のガラス作家 鈴木 玄太氏による精巧で温かみのある和ガラス細工「Genta Glass」などが登場します。

     コース冒頭の八寸は、井波彫刻が施されたプレートに小鉢12皿が提供されます。多皿構成で、目も舌も喜ばせ、食べ進めるのが楽しい。

    八寸

    【料理内容例】
    自家製葛豆腐には南砺産パクチーを練り込んで、砺波市の「たかはたポーク」の肉味噌を乗せて
    砺波産山椒オイルでマリネした同市産菊芋のナムル
    城端の生湯葉べっこうあんがけ
    南砺産里芋“ヤツガシラ(八頭)”の揚げ団子
    「だご」と呼ばれる郷土料理 など
     
     
     また、同店ならではと言えるのが、南砺市や砺波市では方言で「ねかべっつい」と呼ばれる、伝統的な炊飯法です。「ぬか釜」や「もみがら釜」とも言われ、ガスや電気を使わずに、もみ殻などの自然の資源を燃料として炊き上げるエコな調理方法です。着火剤となるもみ殻に火が燃え移ると、一気に強火になり、炊飯の原則である“はじめチョロチョロなかパッパ”が自然と再現される点も理にかなっています。
     炊き上がる過程で店内に漂う、豊かで心地よい香りもこの炊飯法の魅力で、田園風景を思い起こさせる自然のアロマに、食べる前から期待が膨らみます。

    (左)伝統的な炊飯法「ねかべっつい」 (右)施膳ろくざんさ店主 水上 喜貴

     お米はみずみずしく炊き上がり、中から甘味が引き出されており、もみ殻の風味と共に、一口ごとに自然の恵みを体感させてくれます。
     さらに、お米を炊いた後に残る「もみ殼燻炭」は、土壌改良に役立つ“肥料”となることに着目し、持続可能な農業サイクルに活用します。環境に配慮しながらも、料理に深みと文化の味を加える、エコフレンドリーでサスティナブルなスペシャリテです。コースの主役の一つとして楽しみに訪れてください。

     “ご飯のお供”として準備されるのが、郷土料理である胡麻味噌和えの「よごし」や、新湊産ホタルイカのキムチ、南砺産梅干し、自家製カラスミなどの12品で、コース終盤にも再び気持ちが盛り上がります。

     
     

    • 店名の由来と、薬膳をコンセプトに織り込んだ理由とは

      店名の“施膳”は、中国医学に基づく食事療法の概念である「弁証施膳(べんしょうせぜん)」から取っています。個々人の体質や健康状態にとって最適な食材や調理法を選定し、“薬膳料理を作る行為”を「施膳」と呼びます。
     さらに富山は“薬の街”として知られますが、その名声は江戸時代、薬箱を背負って各地で直接薬を販売する「富山の薬売り」によって信頼を築き、全国に広まりました。
     その歴史的背景とホスピタリティにインスピレーションを受け、ゲストに寄り添う料理を提供したいという店主の思いが、地域の豊かな食文化と一体になり、唯一無二の日本料理として昇華されました。地元食材のポテンシャルを活かし、その魅力を文化とともに伝え、地域と人々を繋ぎ、ここ井波から新たな歴史を刻みます。

    (右)店主 水上 喜貴と(左)女将が二人三脚で心を込めておもてなしをいたします。

    ■店舗詳細
    店名:施膳ろくざんさ(せぜんろくざんさ)
    ジャンル:薬膳日本料理
    店主:水上 喜貴
    住所:富山県南砺市井波3624(旧井波美術館)
    電話番号:0763-82-1770(2024年4月2日から開通予定。それまでは090-7480-8111におかけください)
    定休日:水曜
    営業時間:18:00~、18:30〜、19:00〜
    (予約制のコース料理のみ。ランチは5月から開始予定)
    席数:カウンター10席
    コース料金:12,000円(税・サービス料別)
    グランドオープン日:2024年3月15日(金)
    Instagram:https://www.instagram.com/sezen_rokuzansa_from_inami

    会社概要

    施膳ろくざんさ

    代表者:水上 喜貴

    所在地:富山県南砺市井波3624(旧井波美術館)

    業種:薬膳日本料理

    関連URL

    https://www.instagram.com/sezen_rokuzansa_from_inami

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