【愛ふぁーむプロジェクト】お店でおいしい料理を食べるだけで、農業と福祉の支援になる。誰もが気軽に取り組めるソーシャルイノベーション

愛知・岐阜・三重の飲食店と企業が「農業×福祉×飲食」の「農福食連携」を目指す~育てる人、つくる人、食べる人 みんなを笑顔にしたい~

  •  株式会社バイタル(三重県津市 代表取締役 若林 達也)、株式会社千代田不動産(愛知県津島市 代表取締役 近藤 利一)、kitchen俊貴株式会社(愛知県名古屋市 代表取締役 阿井 俊貴)は、【一般社団法人 愛ふぁーむプロジェクト】を共同で運営しています。

     愛ふぁーむプロジェクトは、誰ひとり取り残さない社会の実現に向けて、働きたくても障がい者であるために雇用機会に恵まれない方々と、農業従事者の減少問題という現在の社会が抱える課題を解決すべく、愛知・岐阜・三重の飲食店と企業が立ち上がり結成されました。
     昨今、障がい者の方々に社会参加の場を提供する施設や事業所、企業が増えてきました。農業に関しても「ノウフク(農福連携)」など、国の施策により「育てる人」の市場創出の取り組みは広がりつつありますが、障がいのある方々が携わった農作物を十分に提供できる場が整っていないことが課題と言えます。私たちに出来ることは、障がいのある方が生産から出荷までの工程のいずれかに携わった食品をその先の「つくる人」「食べる人」へ繋ぎ、消費に貢献することです。

     現在、31店舗の飲食店、4つの農業団体・事業所、11社の企業が同プロジェクトの思いに賛同し、活動を推進しています。プロジェクトメンバーである加盟飲食店では、障がい者の方々が大切に育てた農作物を自店のメニューに取り入れ、来店されたお客様に提供しています。全ての方が食を通して社会福祉に貢献できる「農福食連携」の生産サイクルを創出することで、 育てる人、つくる人、食べる人みんなが笑顔になれる社会の実現を目指し、サステナビリティに配慮した責任ある事業活動を行うとともに、SDGs(継続可能な開発目標)の目標に向けて、社会福祉への貢献、産業の発展促進、人権に関する取り組みを中心としたサービスを提供してまいります。

     

    • 社会課題への挑戦。食を通じた、障がい者支援と農業の融合プロジェクト

    ■愛ふぁーむプロジェクトとは

     愛ふぁーむプロジェクトは、2022年11月12日に発足し、2023年1月6日に一般社団法人化されました。このプロジェクトでは、障がいを持つ方が生産から出荷までの工程のいずれかに携わった農作物を、同プロジェクトに賛同する飲食店が購入し、自店の料理に使用して来店されたお客様に提供しています。障がいを持つ方が大切に育てられた農作物の「おいしさ」をお客様に知っていただき、地産地消で支援の輪を広げています。私たちは、『おいしい一皿は、時に人の考え方をも変えることができる。食の価値観の多様化は社会全体の幸せに繋がる』と確信しています。
     また、農業に関わった障がい者の方々は、おいしく美しく調理された農作物を見て誇らしく思うことでしょう。それは生産力や農作物の品質の向上に繋がり、さらには障がい者の雇用拡大や雇用継続に直結します。これにより、障がい者の方々の賃金UPや自立支援、そして新規就農者の増加が期待されます。
     このように、食を基軸とした展開により、誰もが簡単に、「食べるだけで農業と福祉の支援をしている」という好循環が生まれることが本プロジェクト最大の特長です。■設立の思い

    愛ふぁーむプロジェクト プロジェクトマネージャー 若林 達也(株式会社バイタル 代表取締役)

    ≪プロジェクトマネージャー 若林 達也(株式会社バイタル 代表取締役)のコメント≫
     私は普段、医科と歯科の開業支援や医療広告の企画・提案を行う医療コンサルティングを行っております。医療に携わる中で、密接な関係にある福祉分野の障がい者支援について広告の観点から興味を持ち始めたものの、日本ではチャリティーのような形の支援は上手くいくことが少ないという事実を知り、このような支援を継続拡大していくためには、事業化することが必要と感じました。
     また、厚生労働省「障害者の就労支援対策の状況」によると、就労継続支援利用者A型・B型ともに、さまざまな理由で障がいを持つ方達が自立して普通に生活できる状況ではなく、この低賃金問題への早急な取り組みも必要であると考えます。

    障がい者総数約964万人、うち18歳~64歳の在宅者数約377万人
    就労継続支援A型利用者約7.2万人 月額平均給与7万6,880円
    就労継続支援B型利用者約26.9万人 月額平均給与 1万6,369円
    (引用:厚生労働省「障害者の就労支援対策の状況」より)

     同時に、国の農業においても、農業従事者の平均年齢67.9歳と高齢化による担い手の減少、この問題点は長い間指摘され続け、様々な政策をおこなってきたにも関わらず未だ改善が見られません。2015年の175万7,000人から毎年減少を続け、2020年では136万3,000人になっています。2021年の農業構造動態調査による推定値は130万2,000人と減少しています。
     担い手の減少と高齢化の主な原因は、年々離農する農家がある一方で、新規就農者が思うように増えていない実態があげられます。新規就農者数は2015年には6万5,000人、2020年には5万3,700人と、多少の増減はあるものの、ほぼ横ばいです。それにも関わらず毎年数万人単位で農業従事者数が減少するというのは、新規就農者を上回る離農者がいることを示しています。
     この二つの大きな問題を解決するために、食を通じ支援の輪を広げ、障がいを持つ方の賃金UP、自立支援、新規就農の問題を解決し、我が国の農業と福祉に貢献できればと考えております。
     
     
    ≪プロジェクトリーダー 近藤 利一(株式会社千代田不動産 代表取締役)のコメント≫
     愛知県津島市と名古屋市に拠点を設け、40年以上不動産事業を通じ、地域の皆様にお世話になってまいりました。長い不動産人生を振り返ると、様々な方とのご縁を頂いたことが思い出されます。
     本プロジェクトに参画するきっかけとなったのは、過去に障がいを持つお子様の親御さんのお土地探しをお手伝いした時に聞いたお話でした。その方は、お子様が精神疾患を患ってしまっており、お子様も良い年なのに、働き場所がない。いずれ私たちは先に死んでしまうのに、子供の事を考えると本当に不安で不安で仕方がない、というお悩みを持たれていました。親の深い愛情というものと、個人の力では超えられない福祉行政の壁を目の当たりにし、愕然としたあの日を私は忘れることができません。
     その後、微力ながらも就労支援施設などの経営にも着手し、少しでも社会を変えたいと思い続けてきました。同時に、日本の食料自給率の問題にも関心があり、農業を始めることになったのですが、その奥深さと意義を感じながら農作業をしていると、気分がすっきりすることに気が付いたのです。日光を浴びるとセロトニン(精神安定やストレスに有効な神経伝達物質)が分泌されるということは様々な医学論文でも立証されていますので、「農業に携わること」は、精神疾患を患っている方にもしかしたら良い影響を及ぼすのではないかと思い至り、農業と、福祉を連携させることに強い興味を持ち始めました。

     同じ志をもつ仲間と出会い、本プロジェクト立ち上げに加わり、本当に毎日が充実しています。本業の不動産で出会ったお客様と同じようなお悩みを抱えた方はたくさんいらっしゃいます。そのお悩みを少しでも解決できる日を必ず実現します。私を含め、一人一人の力は小さいかもしれませんが、「食」という万人共通のテーマを通じて活動を行うことで、必ずこの支援の輪は広がると信じています。

    愛ふぁーむプロジェクト 活動の様子

     
    ≪プロジェクトリーダー 阿井 俊貴(キッチン俊貴 オーナーシェフ)のコメント≫
     2024年3月で、kitchen俊貴は創立6年目を迎えました。2022年5月に新栄へ移転後も変わらず多くのお客様にご来店いただき、感謝の思いで日々料理を作り続けております。「洋食のアップグレード」をコンセプトに、皆から愛される昔ながらの洋食を守りつつも進化させていく、そんな店づくりを目指しております。
     若林理事長より本プロジェクトの発起メンバーとしてお話をいただいたとき、偶然にも料理の「本当のおいしさ」について考えていた時でした。「おいしい」は、ただ舌で感じるものではなく脳が感じるものです。「味がおいしい」は当たり前で、そこに「感動」がエッセンスとして加わることで、何にも勝る「おいしさ」を生み出すことができるのではないかと考え、その「感動」を探していたのです。
     そんな時に、障がいを抱えながらも日々おいしい野菜を作るために頑張っている障がい者の方々の存在、障がい者の方々が育てた野菜に対する偏見について、このプロジェクトが目指す未来。若林理事長の熱い思いのこもったお話に、ここにこそ「食」で伝える感動があると確信しました。また、今まで飲食一筋で料理を作ること以外何もできないと思っていた自分が、その料理を通じて社会福祉貢献ができるということ、更には目の前で自分の料理を召し上がっていただくお客様も食べるその瞬間に社会福祉貢献ができるという画期的なプロジェクトに感動と期待を感じ、飲食店代表リーダーとして参加させて頂くこととなりました。
     現在では東海地区の30店舗をこえる飲食店がこの活動に賛同し、食を通じた社会福祉貢献の輪を広げるために活動しています。日本中、世界中の皆が「食」を通じて「誰一人取り残さない」世界の実現を目指す未来を信じて、このプロジェクトの更なる発展の為に尽力したいと思います。

    障がい者の方がつくった野菜は加盟飲食店が購入し、料理に使用します。

     

    • 飲食業界初!愛ふぁーむプロジェクトのノウフクJAS認証による先駆的な取り組み

    ■障害を持つ方の作る野菜について
     同プロジェクトでは、加盟飲食店および協賛企業に出荷している野菜を育てています。旬の野菜や果物などを提供するため、時期によって内容は変わります。見た目やサイズは不揃いですが、農薬をほとんど使っていないので「とてもおいしい」と評判です。
     また、同プロジェクトは、ノウフクJAS認証(※)を取得しており、厳しい審査を経て認定された農産品を取り扱っています。加盟飲食店には、農林水産省の外郭団体により「ノウフクJAS農産品取扱店証明書」が発行され、これは飲食業界において全国初の取り組みとなっています。

    (※)ノウフクJASとは、2019年に制定された日本農林規格(JAS)認証のひとつであり、正式名称は「障がい者が生産行程に携わった食品の農林規格(平成31年3月29日農林水産省告示594号)」といいます。障がい者が生産に関わった農林水産物とそれらを原材料とした加工食品を生産する事業者が認証の対象となり、農林水産業と福祉の連携を促進するとともに、障がいを持つ方が生産に携わっている生産品の価値を高める目的があります。その本来の主旨は、「みんなが地域の一員となり、一緒になって地域を作っていく」その取組みを評価するというものです。
    引用:一般社団法人 日本基金ノウフクWEB「ノウフクJASについて」より

     

    ■本プロジェクトにかかわる各協賛者の役割
    【プロジェクトメンバー】
    障がいを持つ方が関わった野菜の購入と、それらを使用した料理をお客様に提供しています。現在、愛知・岐阜・三重の31店舗の飲食店が活動に賛同し、ノウフクJAS農産品取扱店の認定を受けています。

    ≪加盟飲食店一覧≫
    (愛知県)
    キッチン俊貴、ヒロヴァーナ、寿し道桜田、レミニセンス、吉凰、ラ・ヴァガボンド、オステリアオルモ、ガプリス、虹霓、ボッテゴン、喜楽梅むら、雪月花なかむら、リベレンテ、鮨旬美 西川、料亭か茂免、リュクスグランディール、だい福、レストラン ホンジン、よりみちや、酒遊庵こてつ、あま木

    (岐阜県)
    わかみや八祥、クッチーナ

    (三重県)
    江戸町すぎもと、割烹西むら、伊勢三玄、鮨いの上、竜吟虎嘯、馳走菴 しゅう、レストランカイト、私房菜 きた川

    【賛助メンバー】
    ・本プロジェクトに農業支援をいただいている団体です。障がいを持つ方が農作物を生産しています。
    ≪団体一覧≫
    (愛知県)
    農福連携型事業所 就労継続支援A型事業所「ちよだふぁーむ」、武ちゃん農場

    ・本プロジェクトに農業指導をいただいている団体です。
    ≪団体一覧≫
    (岐阜県)
    東農園

    (三重県)
    スズカトラクター

     
    【協賛メンバー】
    本プロジェクトにご協力をいただいている企業です。活動経費や参画者の募集へのお力添えをお願いしています。

    ≪企業一覧≫
    (愛知県)
    株式会社千代田不動産、農事組合法人 愛知津島ファーム、相澤建設株式会社、名鮮丸正株式会社、株式会社アルシス、エコテック株式会社、株式会社H&Nホールディングス

    (三重県)
    株式会社バイタル、株式会社TMK建設、株式会社 朝日屋、株式会社みどり警備保障
     

     

    • 「障がい者支援×地域飲食業」愛ふぁーむプロジェクトの現場の声

    ■愛ふぁーむプロジェクトで野菜を作る就労支援継続A型事業所、株式会社千代田ファームの利用者(障がいを持つ方)からのコメント

    ・できないこともある中で、自分に合った作業を行い、仕事に充実感を感じています。毎日が規則正しい生活のリズムの中で、仕事とプライベートのバランスを保ちながら充実感を得ることができています。
    ・お給料で映画を楽しんだり、美味しい食事を味わったりする余裕を持ち、自身のがんばりを感じています。
    ・お給料が増えた際には、家庭への支援としてお金を入れることを希望しています。

    2023年4月に就労支援継続A型事業所 株式会社千代田ファームに入所のKさん(19歳)

     同プロジェクトおよび提携先の株式会社千代田ファームでは、これらの利用者の声を真摯に受け止め、今後も働きやすい環境の提供に努めます。社員一人ひとりが充実感を感じ、生活の向上につながるようなサポートを提供し、更なる成長を目指します。
     

    ■愛ふぁーむプロジェクトメンバーの姿をピックアップ~Restaurant HONJIN(愛知県一宮市)~
     Restaurant HONJINは、27年間続いた鉄板ステーキに、フレンチという新たな風を取り入れ、2つのシーンで楽しんでいただけるレストランです。
     前菜にも力を注ぐことを大切にし、フランス料理の繊細で美しいイメージと主のお肉の融合で、一段と魅力的な料理に仕上げています。お客様に新たな味わいの発見と楽しみを提供するために、常にクリエイティブで斬新なアプローチに挑戦しているお店です。
     Restaurant HONJIN公式HP: https://hon-jin.jp/

     

    ≪Restaurant HONJIN 田島 裕大様からのコメント≫
     2023年10月、企業同士の繋がりや常連の方からのご縁で、愛ふぁーむプロジェクトに参加しました。元々、社会福祉事業所との繋がりもあったため、社会福祉に貢献したい思いも強かったのですが、何よりプロジェクトメンバーの熱い想いが一番心に響き、参加を決めました。
     来店されるお客様からは嬉しい声が多く寄せられています。特に「野菜が新鮮でおいしい」とのお褒めの言葉をいただきます。
     地産地消を大切にし、旬の素材を活かしたメニューで、野菜本来のおいしさを引き立てます。今後も地域社会への貢献に一層の努力を惜しまない姿勢をお見せしていきます。
     

    Restaurant HONJIN プロジェクトメニュー 一例≫


    「風間さん神経締め黒鯛 ブルギニヨンソース
    愛ふぁーむプロジェクトの季節のお野菜と共に」
     

    「風間さん神経締め鰆 キャベツのデクリネゾン
    愛ふぁーむプロジェクトの黄柚ヴィネグレットのエスコート」

     

     愛ふぁーむプロジェクト公式HPでは、プロジェクトメンバーの各飲食店が創作したプロジェクトメニューをご覧いただけます。2023年は70種類の創作料理を東海地区のお客様に提供いたしました。今後も新しいメニューを日々開発してまいります。ご来店の際は、愛ふぁーむプロジェクトの農作物が使用されたメニューをぜひお楽しみください。
    公式HP: https://ai-farm-pj.com/
    公式Instagram: https://www.instagram.com/ai_farm_pj/

     

    会社概要

    一般社団法人 愛ふぁーむプロジェクト

    所在地:愛知県名古屋市中区丸の内2-16-23 GS丸の内二丁目bldg.7階

    電話番号:080-9492-0484

    URL:https://ai-farm-pj.com/

    理事長・プロジェクトマネージャー:若林 達也/プロジェクトリーダー:近藤 利一、阿井 俊貴

    関連URL

    https://ai-farm-pj.com/

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