中国大陸発!新勢力コーヒー店「瑞幸珈琲(Luckin coffee)」
中国老舗酒メーカーとのコラボ新商品が話題のコーヒーチェーン
中国大陸発のコーヒーチェーン店が前年同期比88%増の目覚ましい発展を遂げています。
- 大陸発!中国のコーヒー店
中国と言えば元々お茶文化が発達していましたが、最近ではコーヒー市場も拡大しているようです。スターバックスや%Arabicaなどの外資系コーヒーショップ以外にも、MstandやManner Coffeeなど中国大陸発のコーヒーショップが全国に展開しています。
中でも特筆したいのが、瑞幸珈琲(Luckin coffee)です。同ブランドは2014年のWBC(第15代ワールドバリスタチャンピオン)で世界一に輝いた井崎 英典(いざき ひでのり)さんをトップバリスタとして招き入れています。
- ありそうでなかった中国らしい商品
先日、同ブランドから新発売となった中国老舗酒造メーカー“茅台酒”(読み:マオタイ)とのコラボ商品「醤香ラテ」(読み:ジャンシャンラテ、醤香は白酒の香りの種類の一つ)が、中国国内で大きな話題となりました。「醤香ラテ」は、ラテに茅台酒が直接入っているのではなく、茅台酒風味の高濃度ミルクを使用して作られる商品です。2023年9月4日の発売からたった数日で542万杯、1億元(約20億円)の売り上げを突破し、多くの店舗では現在提供が追いついていないそうで販売を中止せざるを得ない状況のようです。(2023年9月7日時点)
【北京商報】https://mr.baidu.com/r/15Q6ZLs3MxW?f=cp&u=65f51907d6facf81
同商品だけでなく、看板商品である「生ココナッツラテ」も中国国内のコーヒー市場に大きな影響を与えています。元々は同ブランドが開発した商品だそうですが、今やどのコーヒーショップでも販売されていると言えるのではないでしょうか。少し甘味のあるココナッツミルクとエスプレッソコーヒーを合わせたものですが、ココナッツそのものが市民権を得ている中国ではすでにラテの定番となりました。
この「ありそうでなかった」商品は、中国国民の趣味や嗜好、消費スタイルをより深く理解しているであろう中国大陸発のコーヒーブランドだからこそ生み出すことができたのではないかと感じます。
- 売上高がコーヒー本場の外資系ブランドを超えた!
瑞幸珈琲(Luckin coffee)が発表した2023年4-6月期の売上高は62億140万元(約1,240億円)であり、前年同期比で88%増となりました。同期の新規出店は1,485店舗、総店舗数が10,836店舗となり、中国国内ではコーヒー本場の世界的に有名な某外資系コーヒーブランドを大きく引き離しています。(直営店7,188店舗、加盟店3,648店舗)
【新浪新闻】https://news.sina.cn/sx/2023-08-02/detail-imzeutuw7350932.d.html?from=wap
目覚ましい発展を遂げている同ブランドですが、まだ歴史は浅く、2017年10月に中国国内第1号店を北京の大型ショッピングモールにオープンしました。その後たった6年足らずで約10,000店舗の出店を果たす一大ブランドへと成長したのです。
- 中国市場におけるコーヒーの立ち位置
コーヒー市場の拡大について書いてきましたが、実際のところ中国の消費者はコーヒーそのものの味を楽しんでいるのでしょうか?前提として、中国ではドリンクスタンドの店舗数が圧倒的に多く、中でもタピオカミルクティーやフレッシュフルーツを使用したものなど、デザートドリンクの種類が豊富です。また、コーヒーショップの主力商品がミルクやクリームを使用した商品であるということからも、コーヒーを使用したデザートドリンクとして受け入れている消費者の方が多いのではないかと感じています。
■ライタープロフィール
昂子
2005年に初めて中国の地を踏んでから、短期も合わせると大連、天津、上海、南京、深圳の5都市での生活を経験。留学、インターンシップ、現地採用、駐在帯同など滞在目的もさまざま。
実際の中国生活を通して見たこと、考えたことをお伝えします。
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