ロンドンの原宿、世界で有名なデザイナーが手がけるハピネスに溢れた真っピンクのお店。ジャスティン・ビーバーやBLACKPINKも愛用!

ファッションデザイナーNatasha Zinkoが手がけるアパレルショップ「Natashkino」

 エスダムスメディアJAPANでは、世界各国に駐在しているエスダムス特派員より届いた、まだ日本では知られていないリアルなローカルニュースを配信しています。今回はロンドンを拠点に活動するウクライナ出身のファッションデザイナーNatasha Zinko(ナターシャ ジンコ)が手がける自身のアパレルショップ「Natashkino」を紹介します。

  • http://イギリス特派員 キャリーさん
  • 【公式サイト 海外特集ページ】 https://www.asmedia-japan.com/news?cf=oversea (外部リンク)

    「Natashkino」販売商品

    • fuck offドリンクであなたもロンドンっ子。ロンドンの原宿「Natashkino」に行ってみた

     ロンドンのSOHOエリアに真っピンクなお店がオープン。ロンドンを拠点に活動するウクライナ出身のファッションデザイナーNatasha Zinkoが手がける自身のアパレルショップ「Natashkino」。こちらのショップはカフェを併設しており、一階ではドリンクやフードを、地下に降りれば彼女のアパレルブランドを楽しむことができます。お店の中は、ロンドンの原宿のような雰囲気です。

    アパレルショップ「Natashkino」

     
    「Natashkino」店内

    SNSで注目を浴びているのがこちらのドリンク。fuck offとプリントされた抹茶ラテ。

     Natashkinoはこの店舗だけでなく、ロンドンのショッピングセンター内でポップアップストアを開催したり、フードイベントにも出店しています。時にはお店で、DJやタトゥーショップとコラボイベントを開催しているそう。今年は上海でも展開し、世界進出をスタートさせています。そんなこのお店のコンセプトは、「ピンク・サスティナブル・ハピネス」。デザイナーのNatashaはとにかくピンクとウサギが大好きで、また商品と一緒に皮肉な言葉を並べるのも得意なんだとか。彼女らしさがたっぷり詰まっている店内は、各々が自由に好きなように楽しむことのできる空間になっています。また彼女の一番好きな国は日本ということもあり、抹茶ラテやほうじ茶ラテなど日本人にとって馴染みのあるメニューが並んでいます。フードは全てグルテンフリーで植物性食品から作られているヴィーガンフード、そしてコンポスト容器を使用しており、これも全て彼女のこだわりです。


    抹茶クッキー、ブラウニー、ケーキ、ロシアのお菓子の「おれしき」などを販売


    ポップアップストア

    • まだまだファストファッションが流行中の日本は年間10万トンのアパレルを破棄!?世界のセレブたちを魅了するアップサイクル・エシカルファッションで有名なNatasha Zinko

     世界の服の販売量は現在もなお増え続けています。国連の調査によると2000年以降、一人当たり60%増で商品を購入するようになった一方で、残念なことに1着の服の寿命は半分の長さになったと言われています。環境省が提示しているアパレルの資料からわかることは、コロナ渦だった2020年、アパレル製品の国内供給量は22億7,800万点(前年は25億2,700万点)、そのうち10億5,800万点(国内供給量のおよそ50%)、重量にすると約10万トンが売れ残ったという事実。売れ残ったアパレルは、一旦在庫として保管されたり、事業者へ販売されます。あるいは破棄されることも少なくありません。まだまだファストファッションが根強く流行していると感じます。

     食品以外の在庫廃棄を規制したルールは世界で前例がない中、リサイクル先進国のイギリスやフランスでは近年様々な取り組みが積極的に行われています。繊維産業の環境汚染という視点から、フランスは2022年1月、環境への影響を抑えるために「衣服廃棄禁止令」を施行しました。イギリスでは、イングランドの廃棄物抑制プログラムに基づき、アパレル企業向けに廃棄物削減計画を発表しました。両国とも、アパレル企業が廃棄物を最小限に抑えて汚染を減らすこと、在庫管理で資源効率のより高い経済を目指すことを目的としています。またここ数年で、数々のハイブランドも環境汚染に目を向け、エシカル消費の活動へ積極的に取り組み始めています。

     Natashaは、ピンクの遊び心だけでなく“廃棄物ゼロ”を自身のアパレルで再現しています。彼女が手がけるアパレルのいくつかは、3R(リデュース・リユース・リサイクル)からつくられており、ビンテージのジーンズやバンダナ、コットンなどを調達し、彼女自身が一点ものに再設計。過去のシーズン生地を新しいデザインにアップサイクルしたファッションをいくつも生み出しています。


    natashazinko Instagram引用

     彼女のブランドは数々の雑誌や、パリコレなど世界的に有名なファッションショーにも毎年登場しており、英国のラッパーSkepta(スケプタ)やJustin Bieber(ジャスティン・ビーバー)、韓国グループのBLACKPINKのメンバーなど、多くのセレブリティーが彼女のアパレルを愛用しています。

     今後は日本も、流行を重視した低価格のアパレルを大量生産するというファストファッションに代わり、他にはないオリジナリティー溢れるお気に入りの洋服を長期的に着るというような、エシカルファッションを楽しむ人が増えるかもしれません。

    • Natasha Zinkoのブランドが、日本の飲料ブランドと共同作業を始める

     Natasha Zinkoは、日本でおよそ100店舗を展開し、また今夏には世界進出も果たしたレモネード専門店「LEMONADE by Lemonica」と共同にてフォト作品を撮影し、ロンドンのレモニカポップアップストア店内に作品を展示しました。


    「LEMONADE by Lemonica」ポップアップストア店内

     現在、彼女のブランドとレモニカは共同でフーディーの販売準備を進めているそう。彼女の驚くべき多彩なセンスは、多くの日本人や日本のアパレル業界にインスピレーションを与え、たくさんのハピネスをもたらしてくれるのではないでしょうか。もしかしたら、一見皮肉な言葉が添えられているドリンクやアパレルに見えるかもしれません。でも、きっと彼女の背景にあるストーリーを知れば見方や感じ方は変わるでしょう。私はすっかり彼女の、そして彼女のブランドの虜になっています。

    イギリス特派員 キャリーさん■ライタープロフィール

    Carrie(キャリー)
    ロンドン在住の26歳。貿易会社を経営する傍ら現地在住ライターとしてイギリス発祥やイギリスに初登場したお店、SNSで人気の商品や現地で話題のものなどをタイムリーに発信中。「旅行が難しいこんな世の中ですが、少しでも現地の雰囲気がみなさんに届けられると嬉しいです。読んで、見て、訪れて、楽しい時間を一緒に過ごしましょう」

    関連URL

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