【進化系沖縄そば 特集】沖縄グルメに新たなブームか?今、進化系が面白い!行列店、大人気店、注目店を5店舗紹介!

 ASMEDIAの6月の特集記事は、なんと「進化系沖縄そば」。年間600軒レストランを食べ歩くフードライターでもある、当社代表取締役の私 長坂 紅翠香が、沖縄に滞在して食べ歩いた食レポです。
 なぜ進化系沖縄そばなのかというと、最近食べ歩き界隈でチラホラ、「うまい店が結構あって面白い」「こだわりがすごい店がある」「めっちゃ並んでいる行列店がある」と聞いて、これは新たなブームを起こしつつあるのではないかと思い、フードジャーナリストの血が騒いだからです。

 沖縄に行ったら、滞在中に必ず食べたいのが沖縄そば。郷土の味と言える、長年地元で愛されてきた老舗の沖縄そば屋さんはマストで訪れたいですが、進化系沖縄そばのお店は、沖縄そばの定義や長年親しまれる老舗へ敬意を払いつつ、独自の哲学とこだわりやストーリーを織り込み、確実に現在の息遣いを感じさせ、老舗とはまた違った魅力がありました。
 老舗には老舗の素晴らしさや尊さがあり、長きに渡って愛され続け、歴史も味わいに溶け込む美味しさを楽しみに訪問し たいですね。

 結論は、沖縄旅行に行ったら老舗沖縄そばと進化系沖縄そばの両方食べるべし!

 今回この特集では、たくさんある“進化系沖縄そば”の中から5店舗を紹介します

 沖縄県内で”沖縄そばの専門店”は約300店になるそうで、居酒屋やカフェなどの他ジャンルでの提供店を含めるとまだまだ多いことになります。さすが郷土に根ざすソウルフードです。

 ご存知、沖縄で“そば”は蕎麦のことではなく、小麦粉を原料にした“沖縄そば”を意味します。
 沖縄そばの起源を調べると、

 

沖縄製麺協同組合さんのHPから引用 https://oki-soba.jp/about/

 沖縄そばとは、小麦粉100%にかん水を加えてつくる沖縄固有の沖縄固有の麺であり、原料と製法から、中華麺に属します。起源は、中国にある「琉球交流史」に、1534年に琉球王の四十九日供養に「粉湯(中国語で、汁そばの意味)」を献上したとあるのが原形だとされています。これが宮廷料理となって、明治時代には裕福層にて食されます。第二次世界大戦終結後には広く庶民へも広まるようになり、これで現金収入を得ようと、各地域で様々な沖縄そばが作られる要因にもなりました。

 

 一般的な沖縄そばの具は、三枚肉、しょうが、かまぼこ、麺、ダシ、島ねぎ。

 特になくてはならない具は“三枚肉”ですが、沖縄県外ではその呼び方に親しみがないため、ピンと来ない人も多いかもしれませんが、煮込んだ豚のバラ肉のことです。
 また、“ソーキ”は骨付きバラ肉(スペアリブ)のことで、それが乗っている沖縄そばが「ソーキそば」と呼ばれます。
 沖縄そばは、乗っているトッピングによって名前が変わるのですね(慣れるまでちょっと混乱)。

 

 さらに沖縄そばの豆知識ですが、(下記紹介店「EIBUN」さんの黒板より)
 沖縄そばという名前で商品登録された際、麺は1度湯がいて、油をまぶした麺を使用するものが基本だったそうです。この手法は沖縄の風士でも保存が効くのと手早く食べたい沖縄の県民性からきてると思われます。

 

なるほど。

 そして、どの進化系沖縄そば店でも感じたのが、現代らしくSNSを駆使して機能を上手に使っていることです。期間限定メニューの紹介はもちろん、混雑の状況がわかるようにアナウンスしているお店があったり、LINE予約ができたりと、最新情報の発信が県外客からするととても助かります。
 支払いは、入店してから食券を券売機で購入するスタイルのところが多く、現金が必要なお店がありました。

 下記にご紹介する進化系沖縄そばのお店は、訪れた中でも5店舗に絞り、行列店や話題店にフォーカスして取り上げました。
 楽しくおいしい沖縄滞在の参考にして頂けたら幸いです。

 


 

■進化系圧倒的な人気を誇る「EIBUN」
 進化系沖縄そばの代名詞であり、認知度ナンバーワンの行列店がここ「EIBUN」。店主は、2012年に岩手県から移住してきた栄文(えいぶん)さん。沖縄そばが大好きで、500軒以上食べ歩き、恩納村や那覇の名店で約4年、麺作りから学んだそうです。すごい情熱!
 2016年に那覇市壺屋に1号店をオープン。さらに2022年12月に2号店をオープンし、現在3号店を準備中なのだとか。
 トレードマークになっているのが青いどんぶり。もはや青いどんぶりロゴといえばEIBUNです。

外観(オープン前)

 同店はかなりの行列店なのですが、朝8時から店頭の予約票に順番待ちの名前が書けるようになっています。私も、眠い目をこすりながら8時にお店に出向いて名前を書いてきました。一番乗り!
 オープン時間11時の3時間も前に一旦お店に行くことになりますので、大変ではありました。しかし、11時に再びお店を訪れて長蛇の列ができているのを見た瞬間、「朝来ておいて良かった〜」と心から思ったのでした。
おかげで1番に入店できました。「並びたくない」「確実に食べたい」という人は、ぜひ頑張ってみてください。

 そばは券売機で買うシステムです。
 1番人気は「BUNBUNそば」という、三枚肉・まかない肉・本ソーキの3種類のお肉全部のせという贅沢なそばです。観光客はこれを注文する人が多そうだなぁと思いつつ迷う私。
 お店の方にオススメを聞いたら強く推されたのが、スタッフ人気ナンバーワンという「特製冷やしジュレがけぶっかけまぜそば」だったでそれにしました。これが大正解!絶品でした。

●特製冷やしジュレがけぶっかけまぜそば
 麺は、ヨモギの一種であるフーチバーを練り込んだ麺、生麺、イカスミ麺の3種から選べたので、見た目にも涼し気なフーチバー麺にしました。
 ロゴと同じく、使用している器も青色で、県内作家さん製の器なのだそうです。美しいグラデーションが目を惹きます。

 そば出汁で作った特製のジュレダレ、醤油ダレがかかっていて、フーチバーを練り込んだ麺が、ちゅるっと舌触り良く滑り込んできて咀嚼すると風味が広がり、爽やかなジュレと一体になります。ピチピチと跳ねるような麺の独特なコシも美味。各パーツも一体になった時の計算された味わいも、高い完成度で素晴らしいと思いました。行列に納得!さすがですEIBUNさん。

【店舗詳細】
店名:EIBUN(読み:えいぶん)
住所:沖縄県那覇市壺屋1丁目5−14
営業時間:11:00〜16:00
定休日:なし(稀に臨時休業あり)
予約:不可(8時に店前の予約表に順番待ちリストに記入可能)
HP:https://sobaeibun.okinawa/menu/soba-eibun/
Instagram:https://www.instagram.com/soba_eibun/

 



■話題の白い沖縄そば「貝出汁沖縄そば キセキ.」
 “白い沖縄そば”として知られる超人気店です。
 2022年10月に那覇市から浦添市に移転オープンしました。那覇空港からだと、モノレール「ゆいレール」に乗って約35分。最終駅の1つ手前である浦添前田駅で下車し、そこからさらに徒歩約10分という、観光客からするとちょっと難易度高めですが、「ゆいレール」で行ける範囲内で、夜まで営業しているので、気合いを入れてぜひ行ってみてください。
 浦添前田駅からは、Googleマップを頼りにして向かいました。少し勾配があって湾曲した独特な地形の民家集落を抜けてやっと到着。閉店時間ギリギリでしたが、かなり賑わっておりました。
 そばは大きく分けて2種類で、貝出汁と濃厚海老出汁がありますが、まずは店名を冠する名物「貝出汁沖縄そば」から食してみたい。

●貝出汁沖縄そばセット(あさりご飯、とろける黒糖プリン 付)  この白濁したスープは見た目も味も印象的で、“白い沖縄そば”として認知度を高めている理由が良く分かりました。

 スープは豚骨白湯と貝出汁が最高のバランスで組み合わせてあり、貝の旨味が濃厚でクラムチャウダーのようなニュアンスで、クリーミーで、つるっとした太めの生麺にぴったり。
 お肉は、沖縄そばの定番とも言える三枚肉と軟骨ソーキ。醤油ベースの甘めタレで、ホロホロになるまで丁寧に煮込んであります。
 トッピングも独特で、どっしり太い揚げ牛蒡は、滋味と馥郁たる香りが存在感ありました。さらに、キクラゲ、長ネギ、シャキシャキの玉ねぎみじん切りが、食べ進めるごとに変化をもたらします。
 卓上にはスパイスが3種類準備されており味変もできて、あっという間に完食。

 アサリの炊き込みご飯は、国産コシヒカリとアサリをシジミの出汁で炊き上げてあり、小ネギ、針生姜、鰹節を散らしてあります。半分食べてから、貝出汁そばのスープをかけて、おじや風にサラサラ食べて“仕上がりました”。
 デザートの、100%沖縄県産の黒糖を使用した黒糖プリンはとろとろ系でホロリと香ばしく美味。

 中心部からはちょっと遠いですが、ここは本当に行って良かった!大満足の一店でした。

【店舗詳細】
店名:貝出汁沖縄そば キセキ.
住所:沖縄県浦添市仲間3丁目22-5(102)
営業時間:11:00〜15:00(L.O)18:00〜20:45(L.O)
定休日:なし(公式Instagramをご確認ください)
Instagram:https://www.instagram.com/kiseki__okinawa/

 



大注目!グランドオープン間近「沖縄そば くいな」
 2024年7月6日にグランドオープンを控え現在は開店準備を整えながらソフトオープン中というお店で、じわじわと口コミで広がりつつある注目店です。
 このお店がなかなか面白く、気になるそば2つあったので2杯食べて腹パンでしたが、後悔はありません。
 場所は、沖縄県庁から徒歩8分ほどで、国際通りからも徒歩アクセスできる距離感ですが、裏路地にありますので、Googleマップを頼りに訪れてください。まだグランドオープン前で、店前にスタンドサインなどは出ていませんでしたので、注意深く探してください。オレンジの扉が目印。
 
  メニューはいくつかあるのですが、大きく分けてベースが2種類があります。1つは沖縄そば、そしてもう一つが汁なしのまぜそばです。

 

●くいなそば
 まずは店名にもなっている名物「くいなそば」を。
 ベースとなるシンプルな沖縄そばは「島のそば」と命名されており、ここにオリジナル調味料の“自家製生十一味”と“島ナンプラー”を加えたのが「くいなそば」です。
 出汁はカツオと豚骨に加えて、“鶏出汁”を使用しているのが珍しいポイントで、スープに力強いコクと奥行きが出ておりました。
 島ナンプラーは、魚醤にレモングラスなどの沖縄産ハーブと島ニンニク、島生姜を加えてあり、魚醤の深みに南国らしいフレッシュさが加わった豊かな味わいです。
 アクセントとなっているのが、自家製の生十一味。島唐辛子と島生姜とコチュジャンに、爽やかなシークワーサーの柑橘味が加わり、ピリッと辛いだけではなく旨味が複雑で、シンプルなスープがガラリと味変します。
 柔らかく煮込んだソーキも美味。滑りの良い麺が口にちゅるんと入ってきて、するすると胃に収まり、あっという間に完食しました。

●くいな混ぜそば 
 個人的に好きだったのは、2杯目で食べた汁なし混ぜそば。

 沖縄のお祝い料理のひとつである、白味噌ベースの汁物「いなむるち」を、汁なしの混ぜそばとして表現した一品です。いなむるちで使用する、豚肉、しいたけ、にんじん、カステラかまぼこ、こんにゃくが入っていて、さらに、フライドオニオン、パクチー、ピーナッツがトッピングされているので、最初は麺が見当たりません。隠れている麺にざっくりと混ぜて頂きます。 
 ベースのピーナッツソースと白味噌の濃厚なコクと甘さが、平打ち麺にとろっと絡まります。自家製十一味とシークワーサーと自家製ラー油を混ぜた独自のピリ辛ソースが甘さを引き締めており、この複雑な味がヤミツキになるー。食感の変化と咀嚼するごとに現れるさまざまな風味も楽しく、箸の動きが加速し、一口食べたらもう止まらない。
 グランドオープンまであとわずかですから要チェックです。ぜひお楽しみに!

【店舗詳細】
店名:沖縄そば くいな
住所:沖縄県那覇市楚辺1丁目1-40 儀間アパート 1階
営業時間:10:00~15:00(売り切れ次第終了)
グランドオープン:2024年7月6日(土)
定休日:なし(稀に臨時休業あり)
Instagram:https://www.instagram.com/kuina_naha/

 


 

■唯一無二の尖った個性「沖縄そば パパイヤとスブイ」
 今回ご紹介する中でも一番個性的な進化系沖縄そばです。
 メインで使用する食材が、パパイヤとスブイ(冬瓜)で、通称「パパスブ」と呼ばれています。中々の尖り具合で、「一体どんな味なんだろう」という冒険心が掻き立てられますね。
 場所は沖縄県庁近隣で国際通りからも程近くで、建物は大通り沿いにあって、どデカく「沖縄そば」と書かれているのでかなり目立っております。ローカル感に溢れていて、「こういう感じ大好物!」という人が多そう。暖簾には、ブランドカラーにロゴデザインをあしらってあります。
それをくぐってからがまたさらにびっくり。学校にある机と椅子がフロアに並んでいて、一気に童心に返りました。食べる前からこのエンタメ性もテンションを上げてくれて楽しい。
 券売機の横に置いてある、ゴロゴロと大きな冬瓜にもびっくり。

●パパスブそば(いくらじゅーしーセット)
 メニューのオススメには食数限定の「椎茸そば」というのもあったのですが、初回なので店名になっている「パパスブそば」にしました。アーサのトッピングがオススメとのことで、そうしましたが、これが大正解。
 スープは無添加にこだわったさっぱりタイプで、冬瓜の優しいほろ苦さがじわじわと後を引きます。
 とろとろのアーサが出汁を含み、自家製の手もみ麺に絡み付いたまま口に運ばれ、風味と旨味を添えてくれる。これは私は一度でハマりました。
 ご店主さんもとても優しくて、お人柄の良さと個性が詰まった一杯にほっこり。一度食べたら忘れられない、唯一無二の進化系沖縄そばです。

【店舗詳細】
店名:沖縄そば パパイヤとスブイ
住所:沖縄県那覇市松尾1丁目10−1
営業時間:11:00〜15:00
定休日:不定休
Instagram:https://www.instagram.com/papasubu.official/

 


 

■無添加淡麗沖縄そば「たからまちがー」 無添加の淡麗スープが特徴的な人気沖縄そば店。
 那覇空港駅から「ゆいレール」で1駅、赤嶺駅で下車し、そこから徒歩13分ほどの場所にあります。
 お店は民家集落の中にありますが、道案内がところどころに置かれていて分かりやすかったです。
 建物は築55年以上の古民家で、大家さんのご実家なのだそうです。趣のある居心地の良い癒し空間で、実家に帰ってきたようです。大家さんが手入れされているというお庭も素敵で、お花はもちろん果実やハーブが育っています。厨房が見えるオープンな雰囲気で、自然光が入り心地良く、どの席からもお庭が見えます。

●スペシャルそば(いなり2種追加)
 1番人気なのは、同店の代名詞である無添加淡麗沖縄そばにお好きなトッピングを3つ選べる「スペシャルそば」。同店のこだわりスープが直球で味わえ、自分好みの具材を楽しめちゃうのは良いですね。
 選べる具は、鶏もも肉、三枚肉、軟骨ソーキ、てびち(豚足)、柚子コロコロラフテー(豚バラの甘辛煮)、ゆし豆腐、アーサ、海ぶどう、炙り軟骨ソーキ、炙りしっとり鶏もも肉と豊富。「沖縄と言えばこれだよね!」「食べてみたかった!」といえる、沖縄らしいものばかり。ちなみに麺の量も選べます。
 スープは「最後まで飲み干せるスープを目指しています」というだけあって、見た目も味もクリアで五感を研ぎ澄ませて味わいに行く感じで、高貴な風味がスッと立ちます。一口目で「うまい!」というより、胃に入ってからじわじわと「あぁ、美味しい」とうっとりするような美味しさ。店を後にしてからも「また食べたいな」という気持ちが膨らむ。余韻でも美味しさを印象づけてくれる絶品沖縄そばです。

スープは飲み干さざるを得ない美味しさでした。

 さらに特徴的なのは、サイドメニュー。

 “おそばのお側(ソバ)に”と書かれたメニューにぎっしりと「じゅーしぃ」と「いなり」の変わり種が書かれています。じゅーしぃはだいたいのお店にありますが、いなりがあるって珍しいですね。しかも、月見いなり、鮪と海ぶどういなり、辛ニラいなりなど個性さまざま。ちなみに5月限定はタコライスのいなり“タコいなり”でした。
 創作の代わりそばも月一で登場しており、5月は「ベトナム風沖縄そば」というのが出ておりました。決してアクセスが良いというわけではありませんが、ひっきりなしにお客さんが訪れており、かなりの席数もずっと埋まっておりました。

【店舗詳細】
店名:たからまちがー
住所:沖縄県那覇市高良1丁目6−13
営業時間:11:00〜18:00
定休日:不定休
Instagram:https://www.instagram.com/takaramachiga_/

 


【感想】
 今回進化系沖縄そばのお店を巡ってみて、各店の個性やこだわりが本当に面白かったですし、みなさん真剣においしさに向き合っており、沖縄グルメに新たなトレンドが起こりつつある予感がしました。
 その他にもたくさんのお店がありますので参考にして頂き、沖縄そばに加えて”進化系沖縄そば”も、ぜひ訪れてみてください。

 

【本件に関するお問い合わせ先】
ASMEDIA株式会社
担当:長坂紅翠香
電話番号:050-3204-0372
Eメール:info@asmedia-japan.com

会社概要

ASMEDIA株式会社

代表者:長坂紅翠香

所在地:石川県金沢市森山1-2-1 219

業種:メディア

電話番号:050-3204-0372

資本金:1,000,000円

URL:https://www.asmedia-japan.com/

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